「ひとり月1万円食費で幸せ生活」のまとめ感想

この本から得るもの

・「金銭面」ではなく「人が本当に必要なもの」に重点を置き、結果的に家計費が安くなる方法

(貧乏ほど健康になれる)

・環境問題を考えながら、避けるべき食べ物がわかる。

・中国米の恐ろしさ

 

著者

山田 博士(Hirosi Yamada)

福井県小浜市生まれ。食生態学者。日本危機管理学会会員。山田博士いのち研究所主宰。メルマガ「暮らしの赤信号」は、まぐまぐの殿堂入りマガジン。

 

出版

2011年8月

 

まえがき

「お金をかけずに人間本来の生き方をしよう」。

多くの方は健康になるには少なからずのお金が必要だと思っている。それは明らかに間違い。企業が作り上げたロハス社会なんていうものは一種の幻想のようなもの。有機無添加、自然、ロハス,,,など。人間本来の生き方を無視してひとり歩きしても、けして実を結ばない。今後より一層、経済格差がひろがって、「貧しい人間は健康になってはいけないのだ」という自傷的な風潮が生まれるのを恐れている。ただし食生活さえ理解すれば、貧しい人ほど健康になれる。その思いが本書をまとめる動機となった。

本書で紹介するレシピはいわゆる街の料理教室で学ぶようなものではなく、発がん物質を防ぎ、アレルギーも防ぐというおいしくて健康になれるものです。

 

第1章 ほんものの健康になるにはお金はいらない

この日本列島には、世界の75%のごみ焼却炉が集中している。日本人だけがせっせとごみを作っているということをどうか知ってください。しかも、その結果、大気や地下水を汚し、あなたの体を壊し、医療費という世界で一番無駄な費用をあなたが負担することになる。

自分のことだけを考えるのはよしましょう。自分の家族のことだけ考えるのもよしましょう。日本の国のことだけ考えるのもやめましょう。そして、人間のことだけ考えるのもやめてほしいです。そうすれば、答えは身近にあることに気づきます。

食費をただ単純に減らせばいいんだという単純な節約の発想は今日限りでやめ、180度「食」の変革をすれば、いつの間にかみんなが豊かに暮らせます。

 

第2章 あなたの体の声に耳をすませよう

人生で一番無駄な出費で、しかも一番心と体を痛める出費は「医療費」。人間は口ではどれだけでも格好いいことを言えます。しかし体は正直、顔や体や体温や皮膚の色艶や声までにちゃんと日常の暮らしの答えが映っている。

心も体も壊さずに、しかも出費も抑える私の食費を公開します。

 

食の中心に「米」を置く

お米1ヵ月の合計費用は3200円。パンやラーメンを主食の中心に据えると副食が決まってしまう。パンにするとバターや乳製品、ジュース類、肉類などが自然に副食となる。

 スーパーなどに山積みされている白米は約1500円。安い米を単純に喜んでいいのか?年収2万円の中国国民が作る米と、日本の農家が作る米の値段がほぼ同じという現実。また政府は、近い将来に日本の稲作農家を170万戸から8万戸にしようという計画がある。農業をすべて大企業に任せていいものか。あなたが今日も安い米を食べ、パン食を続けるのならこの流れを加速させてしまう。

安心して食べられる米が、日本で手に入るようにしたい。

そしてそのためにこそ、農家を応援したい。

その心をいつも、家計費を考える場合に持ち続けてほしい。

毛皮などなくてもいい。車を手放してもいい。たとえ家が小さくてもいい。

何が何でも米だけは、家計費の中心にドンと置いてほしい。

 

野菜は見た目にこだわらない

野菜類の1ヵ月の合計費用は約4000円。この金額に持っていくには努力が要る。空心菜と呼ばれるエンサイが1把100円。モロヘイヤが1把100円、ツルナが1把100円.。このように青菜を安く仕入れる。

 

・豆の底力を知ろう

豆類の1ヵ月の合計費用は1200円。ご飯と一緒に取ればよりその栄養価が高まる。大豆は500gが約400円。小豆は500g約500円。大豆からきなこ、おから、豆腐、豆乳、さまざま手作りする。

 

・調味料は必要最低限がいい

1ヶ月の合計費用は2900円。

醤油200円。みりん400円。味噌500円。お酢450円。オリーブ油500円。昆布400円。鰹節400円。砂糖は使いません。

 

・旬な魚は安くておいしい

1ヶ月の合計費用は1000円。

魚はモリモリ食べるという性質のものではありません。

 

1ヶ月これだけの食費で健康な人生を作れる。

牛乳や乳製品、肉の項目がない。卵はときどき食べるが乳製品はゼロ。動物性のものは魚を少々。

 

・外食は害食だ

自分の体を知っているのは、世界で自分ひとり。外食を作る人は、自分で扱う食材の内容も分からない人が多い。どんな食材を提供しているのか、店の人間の誰もわかってはいない。自分で包丁を持つ暮らしに変革してください。

 

第3章 最小食費で最大の健康を手に入れる7つの法則

法則1:日本人が本来食べてきたものに戻る

明治以降、日本はドイツの栄養学をそのまま真似てきた。いま栄養士たちが学んでいるのはみんなこれ。学校給食や社員給食や病院給食そして外食に応用してきたのが今の日本。これでは栄養指導すればするほど、心も体も病んでしまう。

家計費の節減するための第一は、まずこのような無駄な食べ物、日本人として不必要な食べ物を除外することからスタートする。除外する第一のものは、牛乳及び乳製品。日本食と洋食との決定的な違いは「乳製品を使っているかどうか」。僕たちの体は離乳期を過ぎると、いままで母乳を飲んでいたときと違って乳を分解するラクターゼという酵素が突然ストップする。創造主は、必要なものしか人間に与えていませんし、必要なものはその段階できちんと取り払ってくれる。それをあなたが無視して毎日牛乳や乳製品を摂るから、お腹が怒ってゴロゴロ叫んでいる。

現代の牛乳は、昔の牛乳と根本的に異なった内容になっている。これは日本だけではなく、先進国と言われている国の牛乳もまったく同じ。いまは妊娠している牛から搾乳している。子牛は3か月で離乳するので、その後妊娠可能になるのですが人間はそれまで待てない。もっとはやく牛乳を得ようということで、まだ子牛が離乳していないのに可哀そうに妊娠させてしまう。そして濃厚肥料を与えたり、物理的に搾乳することで牛は妊娠中なのに乳を出すようになりました。

牛が妊娠しているのに乳を出すとどうなるか。牛の血中の卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の濃度が異常に高くなるのです。妊娠している牛から乳を搾ればこれらの女性ホルモンが牛乳の中にドドッと含まれていくことになる。これは環境ホルモンです。少なく見ても全体の70%の牛乳は「環ホル牛乳」といえる。いまのアイスクリームやソフトクリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなどはみなこれらの「環ホル」牛乳が使われている。

子孫を作らせない「環ホル」。この牛乳を毎日飲んでいるということは、「低用量の避妊ピルを毎日飲んでいる」ようなもの。しかもこれらは人間の作った「環ホル」の比ではない。ほんもののホルモンなのだから。牛と人間のホルモンは同一なので、その作用はもろにくるだろう。子孫を作らせない牛乳、乳製品。

 

法則2:歯をみれば食べるべきものがわかる

臼歯は穀物をお食べる歯。

門歯は野菜を食べる歯。

犬歯は小魚を食べる歯。

つまり人間は、穀物を全体の5、野菜を全体の2、小魚を全体の1の割合で食べればいいことになる。たいていの人は穀物が少なすぎる。そして動物食品が多すぎる。

野菜は白い色をした野菜を食べてはいけない。ウサギに小松菜を与えてみると、青色の部分だけ食べて、白い部分は残す。なぜか、野菜の青色の部分には葉緑素があふれていることをウサギはちゃんと知っている。葉緑素は、人間の血液に流れているヘモグロビンと大いに関係がある。驚くべきことに、葉緑素とヘモグロビンの2つの分子式はそっくり。青い野菜を食べると、瞬時に体内でマグネシウムが鉄に変わる。そして真っ赤なヘモグロビンとなり血液を巡る。

どんな生き物にも、この青菜が生きるためには必要不可欠だった。売る側の理論に立てば、こんな青菜なんかカサが少なく儲けにならない。でもいのちにとって一番大切なものを毎日おろそかにすれば、その後に何が待っているか...。

お金ではなく、いのちが節減されるのを防ぐほうが先です。この青菜の重要性を、今一度ぜひ知ってください。

 

法則3:素材を手に入れ自分の手で料理する

他人の手が加わった食べ物は極力避ける。

時間がない、仕事に忙しい、育児に追われている、旦那が家事を見てくれない、母子家庭で一人でもう毎日が大変。あなた、何を言っているのです。僕たちの先祖たちはもっともっと「忙しい」人生を過ごしていました。

素材を買う。「環ホル」の6割は農薬が占めている。国産に絞る。大豆から豆腐、おから、豆乳、湯葉、黄粉、豆ごはん、煮豆これ一つでなんでもできます。

主食のご飯を街で買うようになったら、もうおしまいです。外食も含めて外部で買うご飯は外国米でしょう。今輸入米の価格はどんどん下がっている。もちろん、遠いその場所での米の安全性は誰にも分りません。

たとえば中国からの輸入米を見てみましょう。中国の黒龍江省を視察した人の話によれば、川の水は重金属汚染のためとても水田を引くことはできないということでした。これはどういうことかと言えば、水田の水を川ではなく地下水だけに頼っているということ。米作りを地下水に頼るには、ものすごく負荷がかかる。その中国で水田の減水深(1日あたり自然に水が減る量のこと)を聞いたらなんと3cmくらいの水が1週間持つというのです。日本だとその深さなら1日さえ持たない量です。つまり、その中国の水田では、水が地下に染みていかない。これは水の中にある酸素が稲の根に行き渡っていないことを意味します。そのため、酸素不足で深刻な病気が広がることになります。

もうわかるでしょう。

日本では使われないような強毒な農薬が、これでもか、これでもかと撒かれているのです。イモチ病の対策の農薬「フジワン」が飛行機でばらばらと撒かれていると視察をした方が述べていました。こんな高価な薬でさえ、どんどん撒かなければ米作りができない土地。そんな痩せた土地で日本人が食べる米を作るという事実。そしてできたご飯がお弁当となり、日本の店頭ではライトアップされて並んでいる。光り輝いているご飯の中身は、灰色に染まったものと言えるでしょう。

ぼくたちの主食がいつの間にかこんなことになっていたなんて。ご飯を外で買うこと、外食したり弁当を買うこと、こんな風潮が残念でなりません。

 

法則4:寸前まで命が宿っていたものを食べる

 例えば冷凍魚を求めたりしますが、実はその魚を海で捕った漁師さんはこの世にいないかもしれません。酸化防止物質をたっぷり入れて冷凍保存するわけです。魚が酸化して真っ赤になれば売れますか?企業はもうからないことは決してしないのです。たとえ安全性に問題があってさえも、当面消費者の抗議などの動きがなければそれをそっと売り続けます。冷凍海産物といえば、日本のとある企業が中国から輸入した養殖のエビに、テトラサイクリン系の抗生物質が使われていました。この薬は食品衛生法では残留が認められていないものなんです。ところがこの会社、それを内密に回収していました。その理由は「消費者の不安をあおりたくない」です。

食べる寸前まであったそれらのいのちをいただく。これらをいつも頭に入れておけば、無駄な食費はなくなります。

 

法則5:ごみの本当の怖さを知る

プラスチックや紙製品などの軽い容器は、今日から使うのを止めましょう。皆さんがコンビニ食などの小口の食べ物を買えば買うほど、ごみが発生します。コンビニ食やファストフード、それに惣菜などのトレイなども日本人が何の疑問も抱くことなく毎日利用している。ごみ焼却場が公のもので5900基。民間のものは万単位。こんな国がどこにあるでしょう。日本中ゴミだらけ。

ラップを使うのもよしましょう。フィルムにはカビが生えることも最近わかってきました。コンビニやスーパーで売られている多くの食べ物はラップに包まれています。このように酸素を遮断することによって、酸素を嫌うボツリヌス菌などが繁殖し、深刻な食中毒が発生することにつながります。

スチレン製の蓋付きの深い容器なら半永久的に使えるので結果的に安くつきます。

 

法則6:空腹を実感することで健康になる

今の世界では飢えで亡くなるより、食べ過ぎつまりは過食で亡くなる人の方がずっと多いという現実。肥満の人は大腸がんになりやすい。加えてコンビニ食などで徹底的に欠けている未精製穀物、青菜、豆類のない食事を毎日続けては、大腸がんになるどころか心と体のバランスが崩れてしまいます。

それらを解決する方法は「少食」にすることです。本物であれば、少量でも種類が少なくても、それで十分なんです。

体温が低い場所に癌ができるのはその場所に血液が少ないからです。いつも満腹状態だと、体中に血液が配給されないため、非常に危険だと言えるでしょう。自分の健康もアップし、食べられる他者の命も救える少食。

 

法則7:「食」にこだわり過ぎずに生きる

社会で立派な行為をいままでしてきたかたは、ほとんど例外なく自分の命を大切にして工夫しています。その工夫をしていなかった人はみな、志半ばで倒れているんです。人生の目標を作ってみてほしい。そうすれば自分の命を守るのに真剣になります。倒れてなどいられません。そうすれば、知らぬ間に外食とは縁が切れ自分で命を作る方向に向かっていくはずです。

 

 第4章 ひとり月1万円食費超簡単テクニック

・原材料を料理して節約性を上げる

原材料しか求めません。企業はコストを下げるために、農薬や添加物や遺伝子組み換えや環境ホルモンなどをすべて動員して、たとえ安全性がいま世界的に問題になっていたとしても、いかに消費者にそのたくらみがわからずに美しい物語を提供できるかをいつも追及しています。

今自分の体に合った食べ物なんて、どこの誰が作ってくれます?

 

・2分間煮

ふかし鍋の底に置いた式敷き皿の上に、輪切りにしたニンジンやジャガイモ、玉ねぎサツマイモなどを並べます。野菜を切っている間に水はお湯になり、そのまま2分待つだけ。お酢と醤油と砕いたゴマを混ぜたものをさらりとかければもう豪華料理の出来上がり。野菜たちの生きた香りを味わえます。

 

決して外食のメニューを真似てはいけない。

 

・米だけは最高のものを選ぶ

 日本の米価だけはこの15年ほどで下がり続けています。1990年~1992年の平均入札価格は、21570円でした(60kgあたり)。ところが、2005年には14786円。32%もダウンしています。米が安くなっていいなんて間違っても言ってはいけません。農家が泣いている現状をぜひ知ってほしい。米作農家が日本から消えた後には、きっと外国から高くて農薬にまみれた質の悪い米がドッと入ってくることになるでしょう

どうしてこんな事態になったのか?

一つは、食管制度が廃止され、米価の安定が止められたこと。

二つは、WTO協定で、米の自由化を押し付けられて外国米が入ってきたこと。

三つは、今までの古米を政府が大安売りしてきたこと。

日本の農家を守るために、米の代金だけは少々高くても払い続けようと決めています。

 

・農作物は顔の見えるものにする

旬以外のものはハウス栽培のため、強毒な農薬を使うことになりますし、その野菜自体も弱い体になってしまいます。近くの農家をまず自転車で探すこと。

 

・自分でいのちを育てていただく

いのちを育てましょう。長ネギの根の部分だけ残し、土に埋めてみるんです。小松菜やホウレンソウの場合もそう。ニンジンは、頭の青い部分からこれまた芽が出てきます。大根は頭の上を切って、深皿に入れ水に浸しましょう。

 

・世界でたった一つの味を作る

大豆でできた豆腐や納豆、おからなどを買っていたのではお金がどんどん出ていきます。これらを自分で作る。

 

・魚はとっておきの保存食

獣などの動物性脂肪の脂肪酸は、飽和脂肪酸のため血管を詰まらせます。それにくらべて魚の脂肪酸は、不飽和脂肪酸なので室温では液体状になっています。

 

・秘められた海藻パワー

海藻類が青菜だったなんて、誰も気が付かないんですね。

 

・牛乳、乳製品は買わない、飲まない、食べない。

僕たちの体はうまくできていて、離乳期になれば、今まで母乳を飲むために出ていたラクターゼという酵素が突然分泌しなくなります。人間だけが牛の乳を飲む。こんな不自然なことはないんです。

 

・料理の味付けはとことんシンプルにする

料理とは素材の味を引き出すこと。味はシンプルにし、生き方もまたシンプルにする。

 

第5章 健康を稼ぐシンプル料理のすすめ

本当の優しさとは、他人になびくことではなく、他人を「実際に救うこと」なんです。世の不合理と闘うことなんです。

 

レシピ1:ご飯の最高においしい炊き方と食べ方

おかずなどたいしたものが無くても大丈夫。これさえあれば、あとは何とかなるもんです。100歩譲っても白米だけは止めてください。

ぼくはいつも、米に豆を一緒に入れていただきます。いわば豆ご飯。これがうまい。穀類も豆類もそれぞれ別々に食べると、その半分くらいしかたんぱく質が体に入ってこないんです。人間の体は20種類ほどのアミノ酸が組み合わさって、僕たちの体の中でそれこそ無限のたんぱく質を作り上げています。ところが、アミノ酸の8つくらいは人体で合成することができません。外部からどうしても取らなければならない。それらを必須アミノ酸といいます。穀類も豆類も、必須アミノ酸という意味では非常にいいものですがそれぞれのアミノ酸組成にいくつかの欠点があります。それぞれを別々に摂ると、完全ではない。でも、穀類と豆類を2:1くらいの割合で摂ればその欠点のかなりが補えます。

外食にはこれらの穀物や豆類が決定的に不足しています。こんなものを毎日食べて「私は元気です」なんて笑い話です。

 

二人分の作り方を記載します。

 

計量カップ3杯半容器に入れます。そしてカップの半分の量の豆を入れます。全体の豆のうち、大豆と小豆を半々にして入れています。たまに金時豆、黒豆を使います。それを米と一緒にして3、4度洗います。

これに水を1.3倍。つまり5カップと40CC。

炊飯器と鍋はどちらでもいいもですが、じつは炊飯器はあまり使ってほしくない。なぜなら炊飯器の多くは内側の容器がアルミ製だからです。疑惑のものはなるべく避けるのが賢明です。だからステンレスの鍋を使いましょう。ただ、玄米だけならいいのですが、豆を一緒に炊くとなるととくに大豆などは前の晩から水に漬けるなどしなくては柔らかくなりませんから、圧力釜が一つあると便利かもしれません。

普通の鍋の場合、大豆と米を前の晩に水加減をして一晩水に漬けておいてください。夏なら鍋のまま冷蔵庫へ。冬はそのまま置いておいても大丈夫でしょう。朝、その鍋のまま火にかけて、最初は強火、炊いてきたら弱火にして15分ほど火を止めて蒸らすこと8分。しゃもじでほぐせば出来上がり。

圧力釜の場合だともっと簡単。

豆を水に浸しておかなくとも、そのまますぐに一緒に炊けます。鍋の種類によりますが、沸騰してから弱火で15分ほどで火を消ししばらくしておけばOK。

どうしてご飯を外で買う人がいるのか僕にはさっぱりわかりません。どこから来てどんな内容なのかさっぱり分からないご飯を。いまコンビニで一番売り上げが伸びているのがおにぎりなんです。コンビニの売り上げは全体で今7兆円ですが(2005年)、そのうちの4分の3は食べ物と飲料水。そして伸びているのが弁当とおにぎり。貧しくなりましたよね。ご飯を買うだなんて、ぼくの子どもの頃までは旅行先で仕方なく買ったものでした。自分でご飯を作ることこそ、一番命に無駄がなく、一番家計費を節約できる方法なんです。ご飯だけは雨が降ろうと、槍が降ろうと必ず自分で作ってください。

 

レシピ2:安全な水で絶品の味噌汁を作る

ご飯ができたら次になくてはならないもの、それは「味噌汁」です。毎朝、毎晩取ってください。味噌汁なんて簡単。もちろん、味噌汁の素やだしの素なんて使わないでください。味噌汁はダシが決め手。そして水が決め手。安全な水の作り方とダシの作り方をご紹介します。ぜひ子供のうちから身に付けておくとよいでしょう。

まずは水。今は水道水をそのまま飲むなんて自殺行為です。そのまま沸かして飲むのもいけません。ちょっとした仕掛けをしてください。お金など不要です。

皆さんが洗剤やせっけんを川に流したり汚水で川を汚したり、そして植物や水生動物の死骸などが含まれたりした結果、川の水の中に有機物が生まれます。その川の水が僕たちの水道水の原水になるのですが、今述べたように最近は非常に汚れてきました。昔と異なり洗剤の汚れは目に見えないんです。それらを消毒するためとして、水道水に添加される塩素が先ほどの有機物と一緒になると、強力な発がん物質であるトリハロメタンを生むわけです。

トリハロメタンを取り除く方法をお教えします。

まず前の晩に、鍋に水を満たしておきましょう。ぼくは小さい鍋に味噌汁用として1日の二人分の水を入れておきます。そして大きい鍋にはほかの料理で使う1日分の水を入れておきます。また、やかんにはいっぱいの水。こうして前の晩に入れて蓋を少しずらしておく。そのまま一晩おいておきます。すると塩素が空中にかなり飛び散ってしまします。そして朝使うときにそのままガスに火をかけ沸騰させます。沸騰したら弱火にして10分。それでOK。ポイントは弱火にしてすぐに止めないこと。なぜなら、沸騰したその時が一番トリハロメタンの濃度が高いのです。でも、しばらくお湯の表面が動いている状態にしておくと、がくんと濃度が落ちるんです。もちろん、換気扇は必ず回すこと。こうして水を作ることができました。

あとは味噌汁をどうするか。昨晩から置いていた味噌汁鍋を火にかける。そこに、昆布を折って入れます。そして鰹節でも煮干しでもいいので適当に入れます。鰹節はザルにでも入れてください。煮干しなら頭と内臓を取って、大きめのものなら2、3匹でいいでしょう。そこに残り物の野菜を入れます。それでOK。僕はそこに、生姜のみじん切りを入れます。それにニンニクもみじん切りにして入れるのもいいです。香りもよく、薬用もあり味噌が少なくて済みます。

味噌は化学調味料入りはもちろんダメ。調味料(アミノ酸等)なんて書かれたものを使っていたなら、どれだけ手料理しても意味がありませんので。味噌は鍋に直接入れてはいけません。味噌の麹菌が死んでしまい、香りも抜けておいしくありません。

 

次に青菜。これこそ毎日摂ってほしい。お浸しの作り方の説明をします。

まず、深い鍋を用意します。なぜ深い鍋かというと、野菜を入れても水温が一気に下がらないからです。お湯を沸かし、そこへ本の数葉程度の青菜を入れてすぐ引き上げます。菜箸でちょんちょんちょんと数秒だけ左右に揺らせばOK。何もかけなくていただいてます。なぜなら栄養素が壊れていないため、それだけでおいしいからです。

いつも沸点を維持しながら湯がくことが大切です。こうすれば、最初に酵素を壊しますので、それによる栄養素の化学変化が起こりにくくなるのです。この酵素が働くと、栄養素が壊れるだけでなく色も黒くなっておいしそうにも見えません。この酵素は、だいたい70度以上で壊れますから、沸騰している最中のお湯では働かないのです。ぬるいお湯だと酵素が働き栄養素のないよれよれしたお浸しができるという寸法なのです。

あなたが時間をかけ手間をかければかけるほど、栄養素は失われ味が落ちます。

 

レシピ3:シンプル素材で作る蒸し野菜のゴマ酢醤油掛け

玉ねぎ、ジャガイモ、レンコン、カボチャ、ナス、キノコ類を適当に選んでください。それらを薄めに切ります。そのほうが火が通りやすいから。その間に蒸し器を熱くしておきましょう。蒸し器がなければ普通の鍋でOK。ステンレス製の穴あき皿を置けばよいでしょう。この上に切ったものを並べて5分。これで出来上がり。小さな器にお酢、醤油、黒ゴマを擦って混ぜればたれが出来上がります。

 

・合言葉は5:2:1

食卓のメニューに載せる割合が、「穀物:野菜:魚」が「5:2:1」になっているようにいつも考えてほしい。これだけ押さえていればOK。

 

感想

 単に安いものを買えばいいというわけではなく、地球の環境問題を交えながら危険な食べ物は避け人間に必要なものを食べようと訴えられていると感じた。時事ニュースで流れた時は、問題だと思うがその後具体的な行動はとっていなかった。環ホル牛乳はとても考えさせられる。子供に何を食べさせるか、スーパーで買えるものもこういった背景があると知ると消費者の行動は変わり、地球を救うかもしれない。

私はこの本を読んで、白米から玄米に変更しました。日本の農家を救うといったものではないですが、単純に玄米がおいしいです。また、大豆も「水煮」ではなく「乾燥大豆」を水で戻してから煮豆をよく作っています。作り立ての大豆は非常においしいです。水煮だとやはり偽物の味がします。実際やってみると、自分で気づくことがたくさんあります。