PC不具合解消。(日経PC21 引用)
最近PCが起動しなくなるトラブルが多くなったので、とても参考になる記事があったので引用しました。
1 Windows10、リカバリー4種を押さえる。
リカバリーはパソコンが原因不明のトラブルに見舞われた場合の最終解決策である。具体的にはOSを手記状態に戻す。「頻繁にフリーズする」「画面表示がおかしい」「何となく遅い」といったトラブルはOS関連 の不具合であることが多い。購入時は問題なかったわけで、なのでリカバリーして購入時の状態に戻してしまえばトラブルは解決するという理屈である。
(1)起動可能時の簡単リカバリー(リフレッシュとも呼ぶ)
a OS → 設定をほぼ残して購入時と同じ状態
b 個人データ → 残る (バックアップは不要)
(2)起動可能時の徹底リカバリー *設定なども初期化
a OS → 購入時と同じ状態
b 個人データ → 消える (バックアップが必要)
(3)USBで起動(起動不能時)回復ドライブ
*USBメモリーから起動
a OS → 購入時と同じ状態
b 個人データ → 消える
c ストレージ → 初期化(再フォーマット)
(4)USBで起動(起動不能時)クリーンインストール
*USBインストーラーで起動
a OS → 素のWindows
b 個人データ → 消える
c ストレージ → 初期化(再フォーマット)
★補足★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ (1)、(2)は個人データや設定を残したままOSだけ初期化する。
設定やユーザーアカウントの破損に起因するトラブルは、簡単リカバリーでは直らない。その場合は個人データと設定も初期化(消去)する。徹底リカバリーを試してみる。
その際は個人データのバックアップが不可欠。
(3)、(4)は設定なども初期化してすっきりしたい場合に使う。USBメモリーから起動して実行するタイプのリカバリーで、パソコンが起動不能でも実行でき、ストレージを初期化(再フォーマット)できる点が特徴。ただし回復ドライブを事前に作っておく必要がある。ストレージを再フォーマットできるので、ストレージの不具合にも対処可能。回復ドライブは徹底リカバリーのUSB起動版。クリーンインストールはWindowsの再インストールと同様 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
(5)簡単リカバリーの挙動詳細(どういう処理が実行されているか)
1)「このPCを初期状態に戻す」で「開始する」を押す。
2)「個人用ファイルを保存する」を選んで「リセット」を押す。
3)Windowsが終了して「Windows回復環境(Windows RE)」が起
動
4)個人データなどが一時的な場所に移される
5)「Windows Component Store」で一時的な場所に新しいOSを構
築
6)プロビジョニングパッケージ(設定やアプリ)」を新しいOSにコピ
ー
7)標準で搭載するドライバーを新しいOSにコピー
8)Windowsとメーカー標準アプリを新しいOSにコピー
9)システムに重要な設定を新しいOSにコピー
10)古い一部のOSがWindows.old」フォルダーに残る
11)新しいOSが「Windows」フォルダーに再インストールされ
る
12)リカバリー作業が終了して新しいWindowsが起動する
13)ユーザーアカウントにサインインすると個人データと設定が元に戻
る
★補足★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Windowsがいったん終了して、Windows回復環境が起動個人データが一時的に安全な場所に移されるその後特殊な場所にある、「Windows Component Store」と「プロビジョニングパッケージ」を使って工場出荷時のWindowsが構築される。さらにWindows.oldファルダに古いOSのデータが移動され、インストールが実行される。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
(6)徹底リカバリーの挙動詳細(どういう処理が実行されてる
か)
1)「このPCを初期状態に戻す」で「開始する」を押す。
2)「すべてを削除する」を選んで「リセット」を押す
3)Windowsが終了して「Windows回復環境(Windows RE)」が起
動
4)ユーザーアカウント、個人データ、アプリが削除される
(必要に応じて、個人データを抹消するための上書き削除が実施され
る)
5)「Windows Component Store」で一時的な場所に新しいOSを構
築
6)プロビジョニングパッケージ(設定やアプリ)」を新しいOSにコピ
ー
7)標準で搭載するドライバーを新しいOSにコピー
8)Windowsとメーカー標準アプリを新しいOSにコピー
9)古いOSが完全に削除される
10)新しいOSが「Windows」フォルダーに再インストールされ
る
11)リカバリー作業が終了して新しいWindowsが起動する
12)セットアップ画面でユーザーアカウントを作り直す
13)新しく作ったユーザーアカウントにサインインす
る
★★補足★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
徹底リカバリーではWindows回復環境が起動すると真っ先にユーザーアカウントが削除される。その後新しいOSが構築されてドライバーソフトなどがコピーされるのは簡単リカバリーと同じだが、古いOSは完全に削除される。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
2 知っておきたい各リカバリーのメリット・デメリット
(1)簡単リカバリー
aメリット
Windowsの不調を回復できる
アプリの不調を回復できる
個人データとインストール不要のフリーソフトなどが残せる
他のリカバリーよりは短い時間で完了する
bデメリット
ユーザーアカウント情報の破損は直せない
Windows.oldフォルダーが邪魔
(2)徹底リカバリー
aメリット
Windowsの不調を回復できる
アプリの不調を回復できる
破損したアカウント情報も直せる
パソコンの廃棄や譲渡の際にも利用できる
bデメリット
個人データが消えるのでバックアップが必要
簡単リカバリーより時間がかかる
(3)回復ドライブからのリカバリー
aメリット
フォーマットすることでストレージの不具合も直せる可能性があ
る
パソコンが起動不能状態でも実行できる
bデメリット
事前に回復ドライブを作成しておく必要がある(クリーンインストールな
ら他のPCでも作成可能)
個人データが消えるのでバックアップが必要
3 ストレージ検査をする。
リカバリーをする前にストレージの不具合を検討する必要がある。トラブルの原因がOSではなくストレージだった場合、簡単リカバリーや徹底リカバリーをしても解決しない可能性がある。「ファイルがなぜか消える」「どうやってもコピーできない」など、ストレージにまつわる異常が出た場合は、リカバリー前にストレージを検査したほうが良い。
(2)ファイルシステムの障害と不良セクター多発を検索
ストレージの不具合にはソフト的なものとハード的なものがある。前者はファ
イルシステム(OSがファイルを管理するためのプログラムやデータ)の障害を
さし、後者は経年劣化などによる不良セクターの多発が主。セクターとはストレ
ージ内の最少記録単位で、読み書き不能になったものを不良セクターと呼
ぶ。どちらも放置して使い続けると、さらに深刻な状態に陥る恐れがある。
Windows標準の「チェックディスク」機能で検査する。異常がなければ不調の
原因はOSにあると思われるので、リカバリーに取り掛かる。異常が見つかった
場合は修復を試み、それでトラブル解決するか様子を見たうえで、リカバリーす
るかの判断をする。
★「チェックディスク」コマンド
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
chkdsk c:
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(3)修復しきれない場合は再フォーマットか交換
問題は、チェックディスクで検索・修復を繰返してもエラーが出続けるケー
ス。ソフト的な異常が出続けるならUSBメモリー(回復ドライブ or USB
インストーラー)から起動してストレージを再フォーマットしたうえでリカバリ
ーする。ハード的な異常の場合は、危険な状態なのでストレージを好感したほう
が良い。チェックディスクコマンドは、まずはファイルシステムを検索する。
「問題は見つかりませんでした」と出たら異常はない。「破損しています」「読
み取れません」などと出たら異常があるので修復する。管理者でログインし、修
復コマンドを実行。
★「チェックディスク」コマンド
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chkdsk c: /f
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CドライブはWindowsの起動中には修復できないので再起動が必要。
(引用:日経PC21 2019年10月号)